なぜ頭のいい人は早口なのか~自己啓発本にありがちなタイトルの中身を勝手に予測する~
先日に「なぜ頭のいい人は早口なのか?」と言うキャッチコピーを見かけた。
本か記事か忘れたがそれについて通学中に考えてみた。
最近この手のコピーが流行っているが、なにかひな形でもあるのかね?
正直タイトルだけで結論が導けそうだったので推測を試みた。
知識量(頭の良さ)と情報処理速度には相関がある
当たり前と言えば当たり前だが、
- 単語を知らない
- 言いたい概念をすぐ言葉に変換できない
- 反射的に言葉が出ない
こういった人はまず早口になれない。
日本人が英語をペラペラしゃべれないのと同じである。
つまり、知識、概念、反射神経をそれぞれ高めていかなければ早口になることはできない。
子供のころからせっせとお勉強しているヒトは常に頭を使っている状態なので自ずと話口調もスピーディーになるというわけである。
論理的な言語には音(イン)が多い
英語や中国語など多くのメジャー言語は主語から文が始まる。
- SV
- SVC
- SVO
- SVOO
- SVOC
これらの5文型がコミュニケーションの基本となる。
つまり、誰が、誰に対して、何を、いつ、どこでしたかを過不足なく表現できる。
特に主語の省略が少ないため責任の所在がはっきりしている。
このような言語は論理的であると言える。
一方の日本語は省略が多く、「察する」文化が良くも悪くも存在する(だから論理が破たんする)。
また、日本語や韓国語は語順が大きく異なるため、日本人と韓国人は英語の習得が困難となる(だからTOEICなるものが跋扈するわけだが)。
つまり、英語や中国語は情報量が多いということになる。
それを日本語と同じスピードで話していては情報伝達に時間がかかり過ぎでしまう。
だから英語圏のヒトは自ずと話すスピードが速くなる。
それに伴いdidn'tやcan'tなどの舌の動きを減らした省略表現を好むようになるのだ。
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論理的な文をスピーディーに話すわけだから高度な情報処理能力が要求される。
そして日本人からすればとにかく音が多い印象を与える。
「でも、日本人でもそういう人いるんじゃないの?」とおもうあなた、、、正解!
そう、関西人(特に大阪人)である。
関西弁の人は英語習得が早いのだ。
何故なら日頃から音をけたたましく発しているからである、漫才のように。
英語を勉強したければ、まずは漫才をしてみてはいかがだろうか?
英語のリスニングの正答率は〇〇に反比例する
スピーキングに関して英語が早口になる理由は分かった。
そしてこれはリスニングに対しても同様に反映される。
情報処理能力を高めなければ早口のヒトの話を聞くことができないのだ。
英語のリスニングの問題を解いたことがあるヒトならばわかるだろうが、話す速度が速くなるにつれて問題の正答率は下がるのである、たとえ言っていることは同じであっても。
それは即ち単語力、文法力といった類が重要ではないということを示している。
ヒトはこれを「慣れ」というが、要は情報処理能力を鍛えればよいのである。
ちなみに大学の友人はツムツムにハマったらTOEICの点数が800点まで上がったらしい笑
確かに情報をピックアップするという点においては同じ競技かもしれない。
天然と言われる人は情報処理ができていない
一方で話し方がゆっくりな人がいるかと思う。
そのようなヒトの特徴はどうだろう?
彼らを観察して、しばしば「天然ちゃん」だとか、「のろま」みたい印象を受けないだろうか。
話すにしても聞くにしても動きが遅いヒトは頭を使っていない可能性が高い。
というのも反復学習をしていけば同様の作業は回数に比例して短時間で処理できるようになる筈だ。
その学習を怠っているか、先天的に学習が苦手なタイプかのどちらかだと思われる。
どちらにしても処理速度が追い付いていないから会話の最大速度が遅いのである。
天然な自覚のあるヒトは会話の速度を上げようと心掛けることができれば今からでも変われる(今まで意識していないヒトがスピードを意識するのは困難だろうが)。
プレゼンでゆっくり話すべき理由とは?
卒論や学会、報告会など様々な場面で発表する機会があるかと思う。
適切な速さ、間の取り方、言葉の選択など相手に配慮した発表が求められる。
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しかし、これは誰に対して行っているのだろうか?
それは一番頭が悪い人に対して配慮しているのである。
同じ話をしても、理解できる人とできない人が現れるのは当然である。
それは前提としての知識、聞き取れる音量、情報処理速度などに差があるからである。
よって、下限のヒトにとっても理解できるように準備をして、発表最中も聞き手の様子を確認しなければならない。
これを人は「思いやり」、或いは「客観性」などと呼ぶ。
焦ってテンパってしまう人は準備不足、つまり相手への配慮が足りないということがほとんどだ。
発表において早口で話してしまう人は訓練さえすれば、必ずゆっくり話すことができる。
しかし、逆は起こり得ない。
早口になるには4つのスキルを満遍なく鍛える
ではどうすれば早口で話せるようになるかお伝えしよう。
簡単に言えば、常に頭を使えばよいのである。
・・・もう少し分解して考えると、
- リーディング(読み)
- ライティング(書き)
- リスニング(聞き)
- スピーキング(話し)
この四つの技能を同時並行で高めていけばよいのである。
単語がわからなければ何もできないからまずは覚える(インプット)。
覚えただけでは使えないから日頃感じたことを徹底的に書き出してみる(アウトプット)。
とにかく誰かと話を聞く、議論する、伝えたいことを伝える(アウトプット寄りのインプット)。
そしてより高度な文章を読んでみる(インプット)・・・(以下略)
そのような勉強意欲を保って自己研鑽していけば、日本語や英語に限らず言語を習得できるのではないだろうか(言語習得を目的としないことが大切)。
知識なんか頭の良さに関係ないという人に対する反論
「早口のヒトが情報処理の得意なヤツだということは分かったけど、それでもバカはいるだろ?」
ごもっともな意見である、同じことしか言わないヤツは確かに早口だがその一方で言葉の深みはない。
しかし、知識のない賢人など居るのだろうか?
数多ある情報の中から要点をすぐに掴み、議論をリードできる人はいつの時代にもいるかと思う。
そのようなヒトは過去に類似した題材に対してインプットおよびアウトプットした経験があるのではないか?
というのも、考える力を養うためには常に何かしらについて頭を働かせなければならない。
歯磨きと同じで習慣づいているヒトは当然やるが、できないヒトはとことんできない。
となると、「考える」という目的を達成するためには、頭を働かせるためのネタを探さなければならない。
頭を使えば使うほど、益々考えるべき題材は増えていく。
結果的に考える力のある頭の良いヒトはスピーディーに様々な分野に関して精通していくわけだ。
そして、考える力の原動力は好奇心であり、環境の変化を恐れない力であると思う。
そうした経験を吐き出すためには経験を抽象化して(データの圧縮)、ほかの事象と関連付ける力が必要になる。
これが暗記に頼らない知識のつけ方である。
要は最低限の情報だけ記憶しておいて、あとはその場で考えれば導出できるようにするのだ。
だから物事に対する処理能力が高くなり、それに付随してあらゆる話題について食いつきがよく、読書が早くなる。
それまでの経験をもとに山を張り、あたりをつける力があるからだ。
こうなると英語を大して勉強していなくても内容を予測して長文問題が解けるようになる。
結果として全くの知識ゼロの人間との差は雲泥のものとなる。
***蛇足***
下手な知識があるよりも何色にも染まっていない方が良いという輩がいるが、あれは使う側の詭弁に過ぎない。
単にバカは扱いやすいというだけの話だ。
使う側よりも使われる側が賢いと悪知恵を働かされてしまい不都合だからな。
あれっ?会社が大きくなればなるほど頭悪い人が増えるんじゃ?
そもそも頭悪い人がトップだったら絶望的じゃ・・・
***終り***
知識を丸暗記してもそれだけでは武器にはならない、知識は手段に過ぎない。
データを鵜呑みにして知識だけ増やそうとするヒトは賢いとは言えない。
一方、知識をどう受け取るのか、ほかの場面でどう活かせるのかを考えられる人は少なくともバカではないだろう。
その結果として引き出しが多い人は何事に対しても処理速度が速くなるのだ。
つまり知識があれば賢いとは限らないが、知識がないヒトは総じてバカ 。
まとめ
- 知識がないと早口になれない
- 知識があっても訓練しないと早口になれない
- 英語習得は論理的思考を助く
- 早口になるトレーニング法は読み書き聞き話しの4技能
- 早口のヒトがゆっくり話すことはできるが逆はできない
- 「知識があるヒトは頭が良い」は偽である
- 「頭が良いヒトは知識がある」は真である
結局当たり前の結論になった笑笑