ブラック企業がなくならない理由は従業員が抵抗しないからである(電通、温野菜についての解説あり)
ブラック企業と聞くとどのような印象を抱くであろうか。
薄給、鬱、自殺などのワードを思い浮かべる方も多いのではないか。
ちなみに厚生労働省にはちゃんとブラック企業が掲載されているため確認しておくように。
私的ブラック企業(部署)の定義
ブラック企業と一口に言っても様々な事実や意見が見られ、難しい概念であるがあえて定義づけてみた。
LP=HP+MP であり
LPが減少するならばブラックである
HP(Hit Point)は体力のことであり、HP<0となると普通は仕事が不能となる指標である。
MP(Money Point)はお金のことであり、尽きたら死ぬか犯罪犯すか精神きたす指標となる。
LP(Life Point)は文字通りライフポイントであり、LP=0となれば自殺してもおかしくないとする。
ただし、HPは有給休暇で回復が、MPは副業で回復が可能とする。
どうだろうか、なるべく簡潔に概念を作ったつもりだが実際のブラック事例を見てみよう。
ケース1:電通(2015年)
故高橋まつり氏の過労死についてはテレビ、ネットで散々取り上げられてきたので諸君もご存じであろう。
この問題は過労死の中でも稀有なケースであると考えられる。
なぜならばMP、すなわち資産が減っていると考えにくいからである。
すると LP=HP+MP のうち、HPが著しく損なっており、なおかつMPを使ってHPを回復できなかったのかが焦点となる。
学生の身分であるヤンマーとしては、こういう時こそ有給休暇、それすらだめならば無断欠勤でも問題なかったはずである。
なぜならば電通は国内屈指の高給取りの会社であるからだ。(平均年収:1247万円)
それを許さなかった環境が3つある。
- 圧倒的パワハラ・セクハラ
- 圧倒的残業(AM4時まで?)
- 一人暮らし
電通は典型的大企業である。
体育会系部活のように先輩社員が経験してきたしごきを後輩に強要することは想像に難くない。
一方50代の社員はヒマすぎて生産性もないため、しれっとリストラが行われていた。 単位は100万円
画像では見づらいと思うので有価証券報告書の116ページに記載されている内容を確認してほしい。
このような背景で新人社員にしわ寄せが来てしまい、まともな判断ができない状態まで追い込まれてしまったのだろう。
しかし、もしこれが実家暮らしだったならば歯止めがかかったはずである。
この時ばかりは親の客観的視点が抑止力となれただろう。
借り上げ社宅を提供してまで一人暮らしを強要する会社は意図があるということだ。
3つの条件が重なってしまうと、いかに才媛といえども会社相手に抵抗する気も失せてしまうのだ。
最悪な環境がついに彼女を LP<0 の状態にさせてしまった。
ケース2:温野菜
ガイアの夜明けでも取り上げられている非常に悪質なケース。
HP<0、MP<0 ∴ LP<0 が成り立つ極めて最悪なケースである。
自殺せずに刑事告訴している精神力には目を瞠るものがある。
知らない人のために概要を書くと、
(1)暴行:Aさんを殴打、絞首するなどの日常的暴行(録音多数)
(2)殺人未遂:店舗内において、本件店舗内に保管されている調理用包丁(刃渡り15センチメートル)を持ち出し、Aさんの左腕の付け根及び左胸あたりを突き刺す
(3)恐喝:Aさんへの制裁として行われた20万以上に及ぶ自腹購入
(4)脅迫行為;Aさんの些細な仕事上の失敗を取り上げて、本件店舗にて、「(そのミスのせいで)店が潰れたら責任をとってもらう、4000万円の損害賠償請求をしてやる」などと脅迫したこと
他にも
- 4月~8月まで休みなしの毎日約12時間勤務
- 賃金未払い有り
などがあり、もはや意味が分からない。
この場合も相談できる人がおらず、病んでから手をを差し伸べてくれる人がいたから訴訟まで行き着いたのであろう。
完全に従業員をなめている。
想定されるブラックマニュアルは以下の通り
- 罵声を浴びさせ自信を奪う
- しかしやめられると困るからたまに褒める(この時点で宗教笑)
- サービス残業を強制させる
- 恐怖(暴力)で辞められなくする
まとめると余裕と考える力を奪うわけだ。
まとめ
以上の事例を見て、諸君はどうすれば助けてくれる人なしに抵抗できると思うか。
必要なのは知恵と余裕である。
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